METHOD
大野 尚子メソッド

管理栄養士大野 尚子

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買うとき
・根菜類(人参・玉ねぎ・じゃがいもなど)は日持ちするので、箱買いをして、いつでも取り出せるようにしています。(旬の産地のふるさと納税なども利用)
・すぐ食べられる野菜もきらさない。(とくにうちはミニトマト!)
・冷凍野菜も利用。(ほうれん草、豆、ブロッコリー、里芋など)
・色の濃い野菜・薄い野菜は、手ばかりで食べる量をイメージ。
・週末に買い込むことが多く、家族で2~3日で使い切ることも目安に。(ブロッコリーなら1個、 小松菜なら1束など)。平日はコープの宅配で野菜を補充。
・安くたくさん手に入るときは、レンジでチンして保存。(小松菜やほうれん草などは買って3 日以上は生でおかない)
・きのこや海藻は通年で手に入るし、1段階調理(そのまま・レンジだけ・焼くだけなど)がで きて、だしも出ます。

- “1日350g=両手いっぱいの野菜“がむずかしくても、”1食片手“で考えてみませんか。指の部分にのるくらいで色が濃い野菜、手のひらにのるくらいで色が薄い野菜を。量やバランスの目安になります。

- きのこはうまみもあるので、レンジしてポン酢やマリネ、焼いてしょうゆ、バターでコクを深めてもいい。こういうレンジだけ・焼くだけなどの1段階調理だと、料理のハードルを下げて取り入れられます。

- 海藻は、早煮昆布を煮物に使うとだしも出るし具としてそのまま食べられます。生わかめはそのままサラダにのせたり、冬ならお鍋でしゃぶしゃぶして食べたりも。
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食べるとき
・買うときのように片手の手ばかりをイメージするとバランスの目安に。
・野菜は加熱すると1/3くらいにかさが減って、手っ取り早くたくさんの野菜がとれます。うちでは具だくさん味噌汁をよく作ります。ほかに煮込みやスチーム料理、グリル野菜なども。
・煮物はお弁当のおかずなどにも重宝しますので、土日にまとめて作ることが多いです。
・野菜がたくさんあれば下処理したり、つくりおいたり。
たとえば:ピーマンとなすのなべしぎ、トマトソース、煮物、炒め物など
・野菜も大事だけどたんぱく質や乳製品も大事。だから野菜にちょい足しの技もいい!
たとえば:ナッツ、ツナ、しらすをちょい足しなど
・3日単位で考えるのも大事。「今日全然野菜とれてないなー」と思っても、前後3日間くらいでリカバリーできればOK。
かさを減らすと野菜はたくさん食べられる!

- 生だとお皿いっぱいの野菜も、加熱するとこんなにかさが減ります。

- キャベツや大根など、少量でも冷蔵庫の残り野菜を入れれば、具だくさんの味噌汁はできあがります。冷蔵庫も整理でき一石二鳥。
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子どもが野菜をたくさん食べるには
・子どもの好きな味つけでカバーリング
たとえば:ケチャップ味にしたり、シチューやカレーなど子どもの好きな味の中に野菜を入れたり、ミートソースやお好み焼きの中に混ぜ込むなど
・食べやすい大きさにする
たとえば:子どもは自分の一口より大きいものは食べづらい

- ミートソースに野菜がたくさん入ってる!

- その野菜が苦手な理由には、大人サイズの乱切りで食べづらかったということも。葉野菜もびろーんと⾧いと食べづらさや飲み込みづらさがあります。苦手そうな野菜は大きさ・⾧さ・かたさなどを食べやすくしてみましょう。
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食の支援活動から~自炊力で貧困を跳ね返す~
大野先生は、“先進国の私たちと開発途上国の子どもたちが食事を分かち合う”をコンセプトにした特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalでも活動中。日本国内の子どもの貧困と食の課題にも取り組んでおられます。高校生を対象に企画した、座学と調理実習をミックスした「自炊マイスター講座」では、自炊が「Keep Vege!」にもつながることがわかります。
・コンビニでもお弁当が500円では買えない時代になり、家でご飯を作ることがメリットに感じられるようになってきています。
・高校生に3日間の食材まとめ買いと3日間の朝昼晩の献立を見せると、1食250円くらいですんで野菜も1日350gとれることにびっくり!
こういうコスパの良さが自炊の動機やモチベーションに。
<自炊マイスター講座より>
これくらいの食材(約2,300円分)でどれくらい食べられるか、考えてみよう

自炊・中食・外食を
1か月で比較すると

出典:
1)TABLE FOR TWO International 自炊マイスター講座資料
2)「生活困窮世帯の子どもを対象とした自立支援の為の食育プログラム」大野尚子,
土井暁子,黒谷佳代 第70回日本栄養改善学会学術総会 名古屋市
撮影・スタイリング:STUDIO LDK